Riskpedia(信用リスク用語集)

格付遷移行列

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読み かくづけせんいぎょうれつ
英語名 rating transition matrix

 債務者格付制度において、ある格付に区分された貸出先が、一定期間(通常は1年)後にどの格付に遷移するかについて、格付別の遷移確率を集計した表をあらわす。
 図は格付遷移行列の一例であり、左端がある時点の格付、上端が一定期間後に区分される格付であり、数値は遷移確率を表している。例えばある時点でA2格の先が、一定期間後にB2格に遷移する確率は、この表では8.0%となっている。また、右端はどの格付区分にも遷移できずデフォルトする確率をあらわしており、このA2格の場合には、0.8%であることが示されている。
 格付遷移行列を使うと、直近1年間のデフォルト率や遷移確率さえわかれば、一定の前提のもとに、2年間、5年間、10年間といった長期にわたるデフォルト率を行列の計算式によって算出できるため、長期間の信用リスクを評価する際にしばしば用いられる。