ある貸出、あるいは広く債権全般について、貸出先がデフォルトした場合に、その貸出条件や担保・保証の状況に鑑みて貸し手が被る損失額の大きさを評価し、元の貸出残高に対する損失割合の見込みによって貸出をグループ分けした格付のこと。これは基本的に、デフォルト時損失率（LGD）の大きさに応じて貸出に序列をつける定量的な評価プロセスと同じである。LGDの序列に基づくことを強調する場合には、特にLGD格付（loss severity rating）ということもある。図にデフォルト率（PD）に基づく債務者格付と案件格付の関係を示した。金融機関における信用格付制度は、案件格付と債務者格付の組み合わせによって成り立っている。

　なお、PDとLGDを組み合わせることで得られるEL（予想損失）の序列に基づく格付を案件格付という場合もある。